株主総会シーズンに「論語とそろばん」を 三重県商工会議所連合会・岡本直之会長寄稿

岡本直之・三重交通グループホールディングス会長 岡本直之・三重交通グループホールディングス会長

 花菖蒲や紫陽花(あじさい)など雨の似合う花が見頃になる水無月(みなづき)である。3月期決算の企業にとっては、株式会社の最高意思決定機関である株主総会のシーズンだ。

 株主総会は、年に一度、株主が企業の方向性や経営状況を直接確認できる貴重な場である。過去、株主から質問もなく「シャンシャン」で終わっていた時代も続いていたが、近年は企業と株主との対話の場へと姿が変わってきている。

 かつて著名な経営者は、「株主総会は、経営者が決算期ごとに株主に会って会社の業績を報告し、それが良いものであれば株主から称賛とねぎらいの言葉を頂戴し、もし十分な成果が上がらなかったときには、謹んでお叱りをうけるというのが本来の姿であろう」と述べておられる。

 昨今、アベノミクスの柱の1つである成長戦略で重要なテーマとしてコーポレートガバナンス(企業統治)改革の取り組みが強化されているが、残念ながら企業の不祥事は後を絶たない。昨年は製造業で検査データの改竄などが相次いだ。

 法治国家において法を守ることは当たり前の必要最低限のことであり、加えて企業行動が道徳的、倫理的に問題がないか、世間のシンパシー(共感、支持)を得られているかどうかまで配慮する必要がある。

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 「日本資本主義の父」といわれ、東京商工会議所の初代会頭でもある渋沢栄一翁は、論語(道義)と算盤(利益)の一致を唱えていたが、今こそ改めてこの精神を学ぶときではないだろうか。

 おかもと・なおゆき 昭和21年生まれ。大阪市立大卒。45年近畿日本鉄道入社。副社長などを経て平成22年6月、三重交通グループホールディングス社長、28年6月から会長。25年11月からは津商工会議所会頭、28年11月からは県商工会議所連合会会長もそれぞれ務める。

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