案山子の町、今度は高さ12mの「聖徳太子」

  • お披露目された巨大な案山子(安堵町で)
    お披露目された巨大な案山子(安堵町で)
  • 巨大案山子(後方)のそばに並ぶ「落穂拾い」(手前)。ツルや西郷隆盛も、みんな案山子(安堵町で)
    巨大案山子(後方)のそばに並ぶ「落穂拾い」(手前)。ツルや西郷隆盛も、みんな案山子(安堵町で)

 あちこちに案山子かかしを飾る町おこしを住民グループが進めている奈良県安堵町で、特大の案山子のオブジェが完成した。

 電柱とほぼ同じ高さ約12メートルもあり、案山子たちのシンボルとなる。

 オブジェは聖徳太子をイメージした姿。世界遺産・法隆寺(斑鳩町)のある北西方角を向き、そばには天平衣装の2体も並ぶ。鉄骨と繊維強化プラスチック製で、4月上旬、クレーンでつり上げて安堵町窪田の田んぼに設置。同26日、町民らにお披露目された。

 始まりは2年前。布団店経営の森中茂さん(67)が「町のにぎわいを演出しよう」と、ミレーの名画「落穂おちぼ拾い」に似せて、休耕田に腰をかがめる3体の案山子を並べた。

 田園風景にとけ込むようなユニークな姿が話題となり、さらに増やしていこうと、住民ら約30人で「オブジェ『案山子』制作展示実行委員会」を発足させた。森中さんが会長を務める。

 椅子にのんびりと座って汽車を待つ人たちを模した戦前の「天理軽便鉄道」のホーム、竹馬で遊ぶ子ども、西郷隆盛など、これまでに約180体を作り、道沿いや休耕田、役場の前などに並べてきた。

 町の人口は10年前から600人以上減って約7500人に。ならばと、「案山子を町民に見立ててにぎやかにしていく」ことにした。今後5年間で2500体に増やし、「人口」1万人にする計画だ。

 巨大な案山子は、会が町おこしの弾みにしようと、約4か月間、寄付金などを集め、約1200万円をかけて作った。

 森中さんは「案山子を町の魅力として全国に発信したい」と意気込んだ。(一円正美)